手術について
当院では様々な手術に対応しております。
上記の手術以外にも「肛門狭窄形成手術」「ヘルニア根治手術」
「痔核硬化療法(パオスクレ―)」「巻き爪手術(陥入爪手術)」など
行っておりますので、お気軽にご相談ください。
痔ろうの手術について
痔ろうは、肛門の周囲が化膿して膿がたまり、はれてズキズキと痛み、時には38~39℃の発熱を伴います。
痔ろうの手術では、腫れている部分を切除し、膿を出します。
入院の必要はない場合がほとんどです。
当院の治療について
切開開放術
切開開放術は再発することがほとんどない手術で、ろう管を切り開き、膿の入口から出口までを切除します。
ろう管の位置や深さによっては肛門のしまりが悪くなるケースも稀にあります。
くりぬき法
くりぬき法はろう管のみをくりぬく方法で、入院が必要となります。
肛門の機能に障害を与えず、治癒も早いのが特徴ですが、手術後の再開通の危険性があります。
括約筋など、なるべく傷をつけないように行う手術です。
シートン法
ろう管にゴム糸などを通して縛り、ゴム糸の締める力を利用することで少しずつ切開していく方法です。
肛門の機能への障害を少なくする目的で行います。
しかし、治癒までに時間がかかるというデメリットがあります。
肛門周囲膿瘍
多くの患者様は何日か我慢して、痛みに耐えきれなくなってから受診されます。従って、文字通り『膿みを出す』ことが必要です。超音波検査で膿瘍腔(膿みの溜まり)を確認し、仙骨硬膜外麻酔をしてから、切開排膿術を施行します。膿みが出た後は、信じられないくらい幸せになるものです。
ただ、その後に痔瘻を形成することが多く、経過観察することが大切です。
いぼ痔の手術について
痔の中で最も多いのが、このいぼ痔です。
肛門にいぼ状の腫れができ、いぼが肛門より中にあるものは内痔核、肛門より外にあるものは外痔核と呼ばれます。
内痔核か外痔核かにより、症状は異なります。
内痔核
内痔核は、患者様自身が何を一番お困りになっているかによって、治療方針が違います。もう長年の脱肛に見切りをつけたいと決心をして受診される方もみえれば、とりあえず出血が収まればそれでいいという方もいらっしゃいます。それぞれの患者様のニーズに応じた治療を心がけていますが、治療手段としては以下の5つです。
- ⑴ 坐薬や軟膏、内服薬など薬のみよる治療
- ⑵ 痔核硬化療法(パオスクレー)
- ⑶ 輪ゴム結紮術
- ⑷ 痔核硬化療法(ジオン)—-4段階注射法による
- ⑸ 痔核根治手術
通常、初診時には、上記⑴で対応しますが、⑵⑶は外来で痛みを伴わずに30秒ほどで済んでしまう簡単な治療手技です。投薬のみによる治療よりは、効果も高いです。⑷⑸は通常、入院して脊椎麻酔下に行います。
当院の治療について
結紮療法(輪ゴム結紮術)
いぼ痔の根元に糸やゴムをかけて徐々に締めつけていき、いぼ痔を取り除く方法です。
いぼ痔は糸やゴムとともに1週間ほどで便と一緒に排泄されます。
症状や場所によってはこの処置ができないケースがあります。
ジオン注射(痔核硬化療法)
内痔核の場合にジオン注を投与して痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。
いぼ痔を切り取る手術と違い、痛みを感じない部分に注射するので「傷口からも出血する」「傷口が傷む」という様なことはなく、入院期間の短縮も期待できます。
結紮切除術(痔核根治手術)
結紮切除術とは最も多く行われている手術の1つで、いぼ痔に流れている血管を糸で縛り、血流を遮断し、いぼ痔を切除する方法です。
切除した後に傷口をそのままにしておく「開放法」と傷口を縫合する「半閉鎖法」があります。手術は短時間で済みますが、数日後に痛みや出血があります。
外痔核
小さい血栓、肛門管の少し中に入っているものは外用剤で保存的に治療します。径5mmを超える大きめのものは、血栓摘出術を勧めますが、もちろん「薬で治したい」と希望される患者様には、その様にします。血栓摘出術は局所麻酔下に2分程で終わる外来手術です。(局所麻酔は極めて細い針での注射ですが、それでも痛いのは事実です)
きれ痔の手術について
原則として、薬で治療します。
通常、便が硬くならないように整腸剤や下剤を使って、排便をコントロールしながら軟膏で治療すれば治ります。しかし、長年の慢性裂肛により肛門が狭くなり、そのために便が細くなって来たら、手術が必要です。
当院の治療について
内括約筋側方皮下切開術
肛門の周りの皮膚からメスを入れ、狭くなっている内括約筋の一部を切開することで肛門を広げます。
局所麻酔を行い、短時間で可能な比較的簡単な手術方法です。
用手肛門拡張手術
狭くなった肛門に指をいれて、左右に広げる方法で、切開は必要ありません。
直腸脱の手術について
直腸脱は、直腸が肛門から出てくる疾患で高齢の女性に多く見られます。
出てくる腸の長さは様々で、通常は排便時に出て、排便後には戻るケースがほとんどですが、重症化してしまうと出たままになってしまいます。
当院の治療について
経肛門手術
経肛門手術とは、肛門から手術を行います。
おなかを切る必要がないので、下半身麻酔や局所麻酔で手術が行えます。
大腸ポリープ・肛門ポリープの手術について
大腸や直腸の内壁にできた、きのこ状やイボ状のできものを「大腸ポリープ」といい、直腸と肛門の境目にある肛門乳頭部と呼ばれる膨らみが、炎症を繰り返し、肥大化した状態を「肛門ポリープ」といいます。
当院の治療について
大腸ポリープの手術
ポリープの根元に液体を注入し、隆起させたところにスネアをかけ、通電し切除します。
痛みはほとんどなく、手術時間はポリープの数などによって異なりますが10~30分程で終わります。
肛門ポリープの手術
大腸ポリープとは異なり、肛門ポリープはがん化することはありません。
局所麻酔で簡単に切除することができます。
スキンタグ(肛門皮垂)
肛門皮垂は単なる皮膚の突起で症状がなければ気にする必要はありません。
ただし、排便後に肛門部をきれいにするのが難しくなるといったことがあります。不潔な状態が続くことで、肛門周囲に炎症が生じ、刺激を受けるようになることでかゆみが生じることがあります。炎症を繰り返すうちに皮膚の突起はさらに大きくなってしまいます。
当院の治療について
保存的治療
肛門部を清潔に保ち便通を整えることなどがあります。
症状が気になったり美容的に気になる場合は日帰り手術で対応できることが多いです。
肛門尖圭コンジローマの手術について
肛門尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することによって、肛門に小さな隆起物ができる病気です。
性行為によって感染する性感染症(STD)の1つで、放置しておくと肛門の中まで広がってしまうケースもあります。
当院の治療について
電気焼灼手術
電気メスを用いていぼを焼き取る方法です。
麻酔をしますので痛みを感じる事はありませんが手術根が残る可能性があります。
レーザー光線蒸散手術
手術の中では比較的傷が浅く済み、負担の少ない手術方法です。
いぼにレーザーを照射し、患部を焼いて切除します。
外科的切除手術
鉗子と呼ばれるハサミのような器具を用いて、イボを直接切除する方法です。