肛門外科について
おしりの病気は
良性から悪性まで様々です
おしりに関する病気はいぼ痔やあな痔、肛門ポリープなど様々です。また、痔だからといって必ず手術をするわけではありません。
「自分の症状の原因は?」「どんな風におしりを見られるんだろう?」など疑問や不安もあると思います。
当院では痔の種類や程度、今後の治療などについてもしっかりとご説明させていただきます。
治療の流れ
- 受付
-
- 受付
-
受付にて診察の手続きをします。
問診票に今までの経過や症状などを記入していただきます。
お名前が呼ばれるまで待合室にてお待ちください。
- 診察
-
- 診察
-
診察台に上がり、おしりだけ出して診察を受けていただきます。
視診、指診や、肛門鏡という器具を使用しますが、痛みを和らげるため潤滑剤をつけますのでご安心ください。
- ご説明
-
- ご説明
-
診察が終わりますと、症状や治療法などについてしっかりとご説明させていただきます。
このような症状ありませんか?
最近では、インターネットで自分の病状をかなり正確に診断して受診する患者様も増えています。ネット上にそのようなサイトが充実していますので、ここでは、各疾患別に当院での初診時の対応を説明しましょう。
痔ろう(肛門周囲膿瘍)
肛門には、肛門陰窩という小さなくぼみがあり、下痢をしている時に細菌が侵入しやすくなります。
細菌に感染すると肛門周囲膿瘍と言い、肛門の周りに膿がたまった状態になります。
下痢や免疫力の低下などが原因で、痔ろうの治療は手術が必要です。
肛門の動きを調整する筋肉が強い男性に、やや多い傾向がありますが、女性の方も少なくありません。
症状
- ズキズキと痛む
- 熱が出た
- おしりが熱をもっている
- 腫れている
- 膿が出た
- しこりがある など
こちらをご覧ください
いぼ痔
痔の中で最も多いのがいぼ痔です。
いぼ痔は医学用語で「痔核」と呼び、直腸と肛門の境界より内側にできたものを「内痔核」、外側にできたものを「外痔核」といいます。
血管の集まりが、うっ血してふくれあがったり、それを支える組織が弱くなって肛門の外に飛びだしたりします。
排便時の負担や老化、便秘や出産、スポーツによるいきみなども、悪化の原因になると言われています。
内痔核は脱出の程度により
4段階に分類されます。
- Ⅰ度:
- 痛みはなく排便時に出血。
- Ⅱ度:
- 排便時にいぼ痔が出てくるが自然と元に戻る。
- Ⅲ度:
- いぼ痔が出てきて、指で押し込まないと戻らない。
- Ⅳ度:
- いぼ痔が出てきて、指で押し込んでも戻らない。不快感が常にある。
Ⅲ度、Ⅳ度になると
病院での受診が必要です。
症状
-
- 排便時に出血
- 便が残っている感じがする
- いぼが出てくる など
-
- 痛みがある
- 腫れると激しい痛み など
こちらをご覧ください
切れ痔
女性に多い痔で、便秘でいきんだり、便が勢いよく出る下痢などによって、肛門の出口付近の皮膚が切れ、痛みや少量の出血などが起こります。
排便時に痛むため、トイレを我慢しがちですが、ますます便が硬くなり、傷が悪化して慢性化することがあります。
慢性化してしまうと肛門が狭くなり、ますます便が通りにくくなり、傷がひどくなるといった悪循環をくりかえします。
症状
- 排便時に激しい痛み
- 出血(トイレットペーパーに付く程度) など
こちらをご覧ください
直腸脱
直腸脱は高齢者や女性に多い病気で、お尻から少し奥に入ったところにある直腸が肛門の外へ出てしまう状態です。
直腸が下がらないように支えられている筋肉が弱くなったり、肛門の筋肉が発育不全で起こると言われています。
また、女性では同時に子宮脱も伴うこともあるので注意が必要です。
症状
- 直腸が出ている
- 便の漏れ
- 下腹部の違和感
- 排便困難
- 排尿困難 など
こちらをご覧ください
肛門ポリープ
肛門内にできるポリープで、切れ痔がの慢性化や内痔核の脱出が繰り返されることによってできると言われています。
形や大きさも様々で、米粒大から親指大になるものまであり、大きくなった場合は肛門外にでてしまいます。
大腸ポリープと違い、がん化することはありません。
症状
- 肛門に違和感
- 出血
- 便が残っている感じがする
- かゆみ など
ついてはこちらをご覧ください
肛門尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することによって、いぼ痔とは違い、肛門や性器に小さな隆起物ができる病気です。
また、肛門尖圭コンジローマは、クラミジアや淋菌、HIVなどと同じく、性行為によって感染する性感染症(STD)です。
放置しておくと肛門の中にまで広がってしまうので早めにご相談ください。
症状
- 肛門周辺がジメジメする
- 臭いがある
- 小さな突起物がたくさんある
- カリフラワー状の突起物
- かゆみ など
ついてはこちらをご覧ください
その他大腸疾患
IBD(潰瘍性大腸炎、クローン病)
炎症が消化管に起こる病気を総称して「炎症性腸疾患(IBD)」といいます。細菌や薬剤など原因のはっきりした「特異的炎症性腸疾患」と原因がわからない「非特異的炎症性腸疾患」があります。初期症状で最も多いのは下痢と腹痛で、大腸の炎症を抑えて症状を鎮める薬物療法が用いられます。
大腸憩室
ふつうは無症状ですが、憩室(腸管の内壁の一部が外側に向かって袋状にとびだしたもの)に炎症をおこして憩室炎になると腹痛の原因となったり、出血することがあります。放っておいて重症化してしまった場合、腹膜炎に進展することもあり、抗生物質による治療が必要です。
虚血性大腸炎
大腸の動脈に血がいきわたらないことでおこる疾患です。症状としては、下腹部の痛みから赤黒い便が出ることが典型例です。内視鏡検査で確定診断をします。治療としては、腸の安静を保つことを第一とし、症状が重い場合には絶食する場合もございます。
大腸がん
多い症状としては、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、原因不明の体重減少などがあります。大腸がんの早期発見のためには早めに消化器科、胃腸科、肛門科などを受診することが大切です。